ほうれん草は一年中手に入りやすい緑の葉野菜。離乳食に取り入れたいけれど、「アクがあるって聞くけど大丈夫?」「繊維が多くて食べにくそう」と迷っていませんか。
この記事では、こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」と自治体の離乳食資料をもとに、ほうれん草を始める時期、下ごしらえ、量の目安、冷凍のコツをまとめました。
- ほうれん草は、おかゆや食べやすい野菜に慣れた離乳初期(生後5〜6か月頃)から、やわらかい葉先を使えます
- アクがあるので、たっぷりのお湯でゆでて水にさらしてから使います
- 野菜・果物の1回量の目安は中期20〜30g、後期30〜40g、完了期40〜50g(ほかの野菜と合わせた量)
- ゆでて刻んだもの・ペーストを小分け冷凍し、1週間をめどに使い切ります
離乳食でほうれん草はいつから?
支援ガイドでは、離乳はおかゆ(米)から始め、慣れてきたらじゃがいもや人参などの野菜、果物と種類を増やしていく流れが示されています。また「野菜類には緑黄色野菜も用いる」とされています。
ほうれん草について、町田市の資料では、最初はかぼちゃ・かぶ・人参・大根・トマトなどの食べやすい野菜が適していて、徐々にほうれん草の葉先なども使える、とされています。さいたま市の資料でも「ほうれん草(葉先)」は初期から使える野菜に入っています。
つまり、
- おかゆに慣れて、にんじんやかぼちゃなど甘みのある野菜を何種類か食べられた
- そのあとで、やわらかい葉先をなめらかにすりつぶして1さじから
という順番がスムーズです。茎はかたく繊維が残りやすいので、初期は葉先だけを使いましょう。
鉄を意識したい時期にも
さいたま市の資料では、中期(7〜8か月頃)は鉄が不足してくる時期として、鉄の摂取を意識した食材に青菜(ほうれん草・小松菜など)が挙げられています。赤身の魚や肉、卵などと組み合わせて取り入れていきましょう。
ほうれん草の量の目安
支援ガイドに書かれた「野菜・果物」の1回量の目安です。ほうれん草だけの量ではなく、その食事で使う野菜と果物を合わせた量なので、ほうれん草はそのうちの一部として考えます。
| 時期 | 調理形態 | 野菜・果物の1回量の目安 |
|---|---|---|
| 初期(5〜6か月頃) | なめらかにすりつぶした状態 | 1さじから試す(入間市の例では、離乳食開始から1か月ごろで野菜・果物〜20g) |
| 中期(7〜8か月頃) | 舌でつぶせる固さ | 20〜30g |
| 後期(9〜11か月頃) | 歯ぐきでつぶせる固さ | 30〜40g |
| 完了期(12〜18か月頃) | 歯ぐきで噛める固さ | 40〜50g |
ほうれん草の下ごしらえ
ゆで方(アク抜き)
町田市の資料には「あくがあるのでたっぷりのお湯でゆでて、水にさらして使う」とあります。手順は次のとおりです。
- 根元を切り落とし、泥をよく洗い流す
- たっぷりのお湯を沸かし、火の通りにくい根元から入れて、ふたをしないでゆでる
- 離乳食用は大人用よりやわらかめに。葉先が指で簡単につぶれるくらいまで
- ゆで上がったら冷水にとり、水にさらしてから水気をしぼる
アクを抜くためにゆでているので、ほうれん草のゆで汁は使わず、のばすときは湯冷ましや別の野菜のゆで汁を使いましょう。
時期別の形
- 初期:葉先だけを細かく刻んで、すり鉢ですりつぶすか裏ごし。お湯でのばしてなめらかに
- 中期:葉先をごく細かく刻む。とろみをつけると飲み込みやすい
- 後期:葉と、やわらかくゆでた茎を細かく刻む
- 完了期:少し大きめに刻んでOK。おひたしなどの取り分けも、薄味にして
ほうれん草の繊維は、すりつぶしても口に残りやすいことがあります。おかゆやじゃがいも、豆腐と混ぜると、まとまって食べやすくなりますよ。
アレルギーや食べさせ方の注意
- はじめての食品は1日1種類、離乳食用のスプーンで1さじから
- 万が一に備え、病院を受診できる時間帯(午前中など)に試すと安心です
- 支援ガイドでは、離乳の開始時期は調味料は必要ないとされています
- じんましん、せき、嘔吐など、いつもと違う様子があれば小児科に相談しましょう
ほうれん草の冷凍保存のコツ
ほうれん草は1回に使う量がほんの少し。まとめてゆでて冷凍しておくと便利です。町田市・さいたま市の資料のポイントは、
- ゆでてアク抜きし、時期に合った形(ペースト・みじん切り)にする
- よく冷ましてから小分けにし、空気にふれないよう密閉して短時間で凍らせる
- 品名と日付を書き、1週間をめどに使い切る
- 使うときは十分に再加熱し、解凍後に再び冷凍しない
小さく薄い形のほうが早く凍るので、ペーストは製氷皿、刻んだものはラップで薄く平らに包むと使いやすいですよ。
ほうれん草を使った簡単レシピ
初期:ほうれん草のとろとろペースト
ゆでた葉先をすりつぶし、お湯でのばします。青くささが気になるようなら、10倍がゆに少し混ぜて。
中期:ほうれん草と豆腐のくたくた煮
刻んだほうれん草とさいの目に切った豆腐を、だしでやわらかく煮て、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
後期〜完了期:ほうれん草と鶏ささみのおかゆ
ゆでてほぐしたささみと、刻んだほうれん草を5倍がゆに混ぜます。鶏肉の始め方は下の関連記事で紹介しています。
参考にした資料
- こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」
- 町田市「離乳初期の進め方」
- さいたま市「離乳食のすすめ方」
- 入間市「はじめての離乳食」
よくある疑問(Q&A)
Q. 茎は使わないほうがいい?
A. 初期は葉先だけを使うのがおすすめです。茎は繊維がかたいので、後期以降にやわらかくゆでて細かく刻んで使いましょう。
Q. 小松菜と、どちらを先にしたらいい?
A. どちらも青菜で、入間市の資料では初期から使える野菜に両方入っています。決まった順番はないので、どちらか一方を1さじから試し、慣れたらもう一方を試しましょう。新しい食品は1日1種類ずつにします。
Q. 市販のベビーフードのほうれん草を使ってもいい?
A. 使えます。支援ガイドでは、ベビーフードは月齢や固さの合ったものを選び、与える前に一口食べて味や固さを確かめること、手作りするときの固さや大きさの見本にすることが勧められています。

コメント