お肉デビューには鶏肉がいいって聞いたんだけど…?
離乳食期を通して大活躍してくれますよ。
じゃあ、鶏肉の部位はどこを選べばいいの?
それぞれの目安時期や進め方を知っておけば、安心してチャレンジできますよ。
鶏肉は、牛肉や豚肉と同様に良質なタンパク質、ミネラル、ビタミンの供給源。
脂質が少ないのが特徴で、離乳食のお肉デビューにはぴったりの食材なんですよ。
ただし、部位によって目安の時期が違うので注意が必要です。
安心して進められるよう、鶏肉の特徴をチェックしておきましょう!
そこで今回は、離乳食期の鶏肉について、
- 部位別の目安時期は?
- 注意したいポイント?
- 冷凍保存はできる?
といった疑問にお答えしていきたいと思います。
実際に作ったレシピも写真付きで載せているので、参考にしてみてくださいね。
目次
離乳食で鶏肉はいつから?
豆腐や白身魚に慣れたらスタートしてみましょう!
いよいよお肉デビューともなると、気になるのが始める時期ですよね。
豆腐や白身魚などのたんぱく質に慣れた、中期(7〜8ヶ月)頃がオススメとなりますよ。
ただし、どの部位でもいいわけではありません。
牛肉や豚肉と比べると脂質が少ない鶏肉ですが、部位によって脂肪の量が違います。
脂肪が少なく、消化がしやすい部位から始めていきましょう。
どの部位から進めていくの?時期別のレシピつき!
お肉デビューにふさわしいのは、一番脂肪が少ないささみ。
鶏の胸肉の内側にある、やわらかくて消化吸収のよい部分になります。
ささみ<胸肉<もも肉の順に脂肪が多くなります2)。
中期頃はささみを使い、後期頃から胸肉やもも肉にチャレンジしてみましょう!
表示を確認して、どの部位をひいたものか知っておくと安心ですね。
スーパーなどで売られている鶏ひき肉は、胸肉やもも肉をひいたものが主流。
そのため、目安は後期(9〜11ヶ月)頃からとなりますよ。
実際のレシピで確認してみましょう!
中期頃 ささみのトマトあんかけ
中期頃に使えるささみの量は1食あたり10g。
すじを取り除いてから使いましょう。
- ささみ 10g
- トマト 10g
- だし汁 大さじ2
- 片栗粉 少々
- ささみにすじがある場合は、取り除いておきます。
- ささみは熱湯でゆでる。
ゆで湯の中で冷ましてから、すりつぶす。
- トマトは皮をむき、種を取り除いたら、粗く潰す。
鍋にトマト、だし汁、片栗粉を入れ混ぜて、ひと煮立ちさせてとろみをつける。 - ささみとトマトあんかけを盛り合わせてたら、できあがり。
トマトをほうれん草に変えてアレンジもOK!
ささみはパサつきやすいので、とろみをつけるとまとまって食べやすくなります。
他にもスープの具や、お粥と混ぜるのもオススメです!
後期頃 鶏胸肉のクリーム煮
後期頃からは胸肉、もも肉も使えるようになります。
1食あたりは、15gが目安。
胸肉→もも肉の順に進めてあげると、脂質の面で安心ですね。
とろみづけのバリエーションとして、牛乳やヨーグルトも使いやすい時期になります!
- 胸肉 15g
- 玉ねぎ 10g
- 人参 5g
- ブロッコリー 小房1個
- サラダ油 少々
- 小麦粉 小さじ1
- 野菜スープ 50ml
- 牛乳 10ml
- 胸肉は粗みじんに、玉ねぎ・人参は薄切りにする。
ブロッコリーはゆでておく(電子レンジ加熱でもOK)。
- 鍋を温め、サラダ油をなじませたら、胸肉・玉ねぎ・人参を炒める。
- 胸肉の色が変わったら、小麦を振り入れて炒め、野菜スープを加えてよく混ぜる。
蓋をして、5分ほど煮る。 - 野菜がやわらかくなりとろみがついたら、牛乳を加え、温める程度にさっと煮る。
- 器に入れ、ブロッコリーを散らしたら、完成。
具材を大きく切れば、完了期にも活躍するメニューですよ。
胸肉は刻んでミンチ状にし、鶏だんご風にするのもオススメ!
鶏じゃがは大人との取り分けにぴったりなメニューです。
完了期頃 おかずパンケーキ
完了期の目安は15〜20g。
卵とじなど他のたんぱく質と一緒に使うメニューの場合は、量を減らして調節しましょう。
- 胸肉 20g
- 人参 10g
- いんげん 10g
- ホットケーキミックス 大さじ3
- 水 大さじ2
- サラダ油 少々
- 胸肉はゆでて冷ます。
人参・いんげんもやわらかくなるまでゆでておく。 - それぞれを粗刻みにする。
- ボールに刻んだ材料とホットケーキミックス・水を入れ、よく混ぜる。
- フライパンを温め、サラダ油を薄く引いたら、生地を焼いていく。
両面が焼けたら、完成。
ひき肉を使ったチキンハンバーグや、ささみを薄くそぎ切りしたソテーなども楽しめる時期。
メニューに合わせて、部位をうまく使い分けてくださいね。
与える時の注意点は?
はじめてのチャレンジは診療時間内に、ひとさじから
まずは、“ささみをひとさじ”からスタートします。
滑らかにすりつぶしたささみをさ湯でのばして、与えましょう。
体調に変化がなければ、目安量まで少しずつ増やしていきます。
万が一、体調を崩した場合に備えて、かかりつけの病院の診療時間内に与えると安心ですね。
午前中がオススメです。
アレルギー
お肉は“たんぱく質のかたまり”というイメージが強いので、アレルギーを心配する声もよく聞かれますよね。
ですが、鶏肉はアレルゲンにはなりにくい食材4)。
人間のたんぱく質構造に近いため、鶏肉のみならず、牛肉や豚肉もアレルギー症状を起こしにくいとされています。
主治医と相談して、進めてみてくださいね。
卵アレルギーの原因となるのは、卵の白身に起因するたんぱく質が大部分。
一方で、鶏肉は筋肉のタンパク質がほとんどです。
卵にアレルギーがあっても鶏肉は食べても問題がないという場合も多いようなので、かかりつけの医師と相談してくださいね。
下ごしらえや調理法
鶏肉は脂質が少ない分、加熱するとパサつきやすくなります。
赤ちゃんが食べやすくなるよう、下ごしらえや調理法を工夫してみましょう!
下ごしらえ
- ささみの白い筋は肉が縮む原因となるので取り除く
- ささみは片栗粉をまぶしてゆで、湯の中で冷ますと水分を含んだまましっとり仕上がる
- 胸肉ともも肉は皮(あれば脂身も)を取り除き、肉の繊維を断ち切るように垂直に切る
調理法
- 小麦粉や片栗粉をまぶすと、加熱しても水分が保持されやすい
- とろみをつけると飲み込みやすい
- お粥と混ぜる、パンケーキに入れるとパサつきを感じにくい
片栗粉を使うのが一般的ですが、牛乳やヨーグルト、またはお麩や高野豆腐でとろみをつける方法も!
お麩や高野豆腐は、そのまますりおろして煮込むととろみがつきます。
じゃがいもも同様に使うことができますよ!
メニューに合わせてとろみづけの材料を選んでくださいね。
冷凍保存もできるの?
離乳食の鶏肉も冷凍保存もできるの?
基本はゆでてから冷凍しますが、ささみは生で冷凍するのもオススメです。
離乳食で使うのは少量なので、どうしても余ってしまいますよね。
そんな時は、冷凍保存が便利!
ストックしておけば、解凍するだけですぐに使えますよ。
- すじを取ったささみに、薄く片栗粉をまぶす。
- 沸騰した湯でささみをゆでる。
- 中まで火が通ったら、ゆでた鍋の中で冷ます。
- それぞれの時期に合わせて量や形を調節したら、1食分ずつラップで包み、フリーザーバックに入れて冷凍庫で保存する。
水を少々加えてから加熱すると、パサつきをふせぐことができます。
また、冷凍ストックの基本は加熱してからですが、ささみの場合は生で冷凍するのもオススメ!
そのまますりおろすと、ひき肉やすり鉢で潰すよりも細かい状態となります。
はじめてささみにチャレンジする際はもちろん、ひき肉代わりに大活躍してくれますよ。
参考:・最新版 らくらくあんしん離乳食(Gakken 2017年8月発行)
1)〜4)食物アレルギーをこわがらない!はじめての離乳食(主婦の友社 2015年12月発行)
5)知っておきたいアレルギーQ&A p2 調布市
最後に
高たんぱくで低脂肪な鶏肉は、お肉デビューに最適な材料です。
ただし、部位によって使える時期が違うので注意しましょう!
- ささみは離乳食中期(7〜8ヶ月)頃からOK
- 胸肉ともも肉は脂質が多いため後期(9〜11ヶ月)頃からスタート
- ひき肉は胸肉やもも肉をひいたものなので後期頃から
- 中期は10g、後期は15g、完了期は15〜20gを目安に使用する
- 卵アレルギーでも鶏肉は食べられることが多い(医師と相談)
- パサつかないよう、下ごしらえと調理法を工夫する
- 冷凍保存も可能
- ささみは生のまま冷凍するとひき肉よりも細かくなって便利
脂肪が少ないためパサつきやすい鶏肉ですが、下ごしらえや調理法を工夫することで、赤ちゃんにも食べやすくなります。
離乳食期のみならず今後も大活躍してくれる食材なので、積極的に取り入れてみてくださいね。