「えっ、太陽を見るとくしゃみが出るの!?」
とよく周りの人に驚かれます。
太陽の光がキラキラとしてお天気が良い日、家から外に出ようとすると、
「ハクション!!」と私。
そう、太陽の光でくしゃみが出るんです。
私としては「出ないの!?」と思うんですが…(笑)。
なぜ太陽を見るとくしゃみが出るのでしょう?
しかも出る人は限られている!?
これって不思議ですよね。
そして実は…私の息子、長男と次男も同じタイミングでくしゃみが出るんです!!
もしかして遺伝するのかも?
そんな疑問を解決すべく、今回は
- 太陽を見るとくしゃみが出る理由は?
- くしゃみが出る人、出ない人の違いって?
- 本当に遺伝するの?
についてまとめてみました。
目次
太陽を見るとくしゃみや鼻水が出る理由は?
それは人間の生理作用である“反射”によるもの。
反射とは、特定の刺激に対する反応として意識される事なく起こるものを指します。
例えば、
- 食べ物を口に入れると自然とつばが出る
- 熱いものに手が触れたとき瞬間的に手を離す
など、日常生活でもよく見かけますよね。
産まれたばかりの赤ちゃんが音の刺激などで腕を大きく開き、抱きつこうとする“モロー反射”もよく知られています。
⇒赤ちゃんのモロー反射とは?いつまで?
太陽を見るとくしゃみが出るのは、太陽の光が刺激となって本人の意思とは関係なく、くしゃみが引き起こされるからなんです。
これを“光くしゃみ反射”と言います。
この反射は、
- 屋内から晴天下の屋外に出たとき
- 太陽の光が直接目に入ったとき
など、眩しさを感じると同時に起こります。
しかし、光くしゃみ反射はまだまだ謎だらけ。
反射が起こる仕組みや理由は、今のところ、はっきりとは分かっていません。
有力な説では、光刺激を受けて瞳孔の調整をつかさどる部分が鼻水の分泌を促す神経にもつながっているためとされています。
鼻水が分泌されると、その情報が脳のくしゃみ中枢へと到達し、くしゃみが生じるという訳です。
くしゃみが出る人と出ない人がいるのはなぜ?違いは?
太陽を見るとくしゃみが出るのは“光くしゃみ反射”と言い、人間の生理作用であることは分かりました。
その違いはどこにあるのか気になりますよね。
光くしゃみ反射が起こる割合は4人に1人
私は太陽を見るとくしゃみが出るのは当たり前だと思っていました。
だから、くしゃみが出ない人がいて、出る方が珍しいと知ったときにはかなりの衝撃でした。
光くしゃみ反射の保有率を調査した研究結果からは、光くしゃみ反射に男女差はなく、その割合は日本人の約4人に1人となっています。
しかもこの割合の中には、稀にしか起こらない人や今は起こらない人(若い頃は起きていいた)もカウントされているので、日常的に発生する人は約10パーセントだとも言われています。
光くしゃみ反射をもつ方の口コミを集めてみました。
光くしゃみ反射持ちのため、この時間、太陽方向に向かって歩くのが辛い
— 👑王👑 (@yutoriou) November 18, 2016
https://twitter.com/mynameismar1/status/797687167619207168
その違いは遺伝子にあった!
太陽を見るとくしゃみが出る、出ないという違いは、実は遺伝子にあります。
アレルギーとは異なり神経がそうした反射を起こす体質であり、特定の遺伝子を持っている人にしか光くしゃみ反射は起こりません。
また、光くしゃみ反射をもつ人の中でもくしゃみを誘発する光の強度には個人差があります。
太陽光が直接目に入った時のような強烈な光だけに反射を起こす人もいれば、室内の灯り程度の弱光でくしゃみが出る人もいます。
特にLED電球だとよく出ちゃいます(笑)!
遺伝子によって光くしゃみ反射が起こる、起こらないという区別がされていたんですね。
光くしゃみ反射は遺伝するって本当?
太陽を見るとくしゃみが出る、というこの妙な反射。
実は私だけではなく、私の息子たちにも引き継がれているようなんです。
そう!光くしゃみ反射は遺伝するんです!!
その上、優性遺伝子によって子孫に伝えられるので、高い確率で光くしゃみ反射をもつことになります。
優性遺伝子とは、両親から受け継いだ2組の遺伝子のうち、より特徴が出やすい遺伝子とされています。
例えば、
- まぶたは二重が優性(一重が劣性)
- 髪の毛はくせ毛が優性(直毛が劣性)
なんですよ。
だから長男にも、次男にも光くしゃみ反射がみられたんですね。
そういえば私の実父も天気のいい日にくしゃみが出ていた記憶があります。
てんかんとの関連性もある?対策は?
太陽を見るとくしゃみが出る光くしゃみ反射、くしゃみの性質だけならいいのですが、実はてんかんとの関連性も指摘されています。
“光くしゃみ反射をもつ人はてんかんを起こしやすい傾向があるのではないか”という説があるようです。
てんかんは、脳の神経細胞間で異常に強い電気信号が流れることで生じる現象です。
脳のどの部分で異常な信号が流れるかによって症状は違いますが、脳全体に広がると、
- 意識を失う
- 倒れてけいれんする
など危険な状態になります。
てんかんの発作が起こるきっかけは様々ですが、強い光を見た刺激が原因となる光誘発性の発作もよく知られています。
研究によると、光くしゃみ反射の起因に関係する遺伝子が、この光誘発性のてんかん発作に関係する遺伝子と関連性があるのではないか、と考えられているようです。
具体的なことはまだ分かっていません。
今のところ、私も息子たちも強い光刺激でてんかんの発作が出たという経験はありません。
光くしゃみ反射がくしゃみだけの性質であることを祈るばかりです。
また、光くしゃみ反射は病気ではないので治療法はありません。
眩しい!と脳が反応する刺激を受けるとくしゃみが出てしまうので、
- 太陽を直視しない
- サングラスをかける
といった対策が有効です。
車を運転中にトンネルから出たときにくしゃみをして、事故につながるという危険性もないとは言えないので、光くしゃみ反射をもつ人はサングラスを準備しておくと安心ですね。
また、“自分がどの程度の光でくしゃみが出るのか”ということをしっかり把握しておくのも大切です。
私も息子たちに光くしゃみ反射の体質であることを理解させ、自転車や車を運転する際には注意が必要だと言い聞かせたいと思います。
最後に
太陽を見るとくしゃみが出るのは、太陽の光が刺激となってくしゃみが引き起こされる“光くしゃみ反射“によるものでした。
- 光刺激を受けて瞳孔の調整をつかさどる部分が鼻水の分泌を促す神経にもつながっているためくしゃみが起こる、と考えられているがはっきりとは分かっていない
- 日本人での保有率に男女差はなく、4人に1人の割合
- 特定の遺伝子を持っている人にしか反射は起こらない
- 反射が起こる光の強度には個人差がある
- 優性遺伝子によって子孫に受け継がれる
- 光誘発性のてんかん発作との関連性があるかもしれない
- 太陽を直視しない、サングラスをかけるといった対応が有効
光くしゃみ反射は保有している人が少ないこともあって、あまり知られていません。
私自身も名前をはじめ、なぜくしゃみが出るのか分かっていませんでした。
ですが、優性遺伝子によって子孫に伝えられ、てんかんとの関連性も指摘されていることから、より多くの人に光くしゃみ反射という存在を知ってもらいたいと思います。
この記事がその手助けになれば幸いです。
あんつぶ