赤ちゃんの成長には個人差があるけれど、周りと比べてすこしゆっくりだったりすると、ちょっと気になってしまいますね。
子育てにおいて、あまりよその子と比べる必要はありませんが、すこし発達がのんびりだったら水頭症も気にしてみてください。
ここでは赤ちゃんの水頭症の原因や、治療法方についてお話したいと思います。
目次
赤ちゃんの水頭症の症状とは?
水頭症とは、脳の脊髄液が頭蓋内に過量に溜まることにより、脳そのものが圧迫を受けたり、頭蓋内の圧が高くなったりすることで引き起こります。
脳脊髄液は、脳を外部の衝撃から保護し、脳圧をコントロール、脳の老廃物の排泄などの役割を果たしています。
脳脊髄液は、1日に約450mlが産生され、産生から吸収まで1日約3回程度循環して入れ替わっているのですが、この吸収循環がうまく機能せず、過量に溜まることで、水頭症になるのです。
【乳児の水頭症の症状】
- 頭囲のサイズの異常な増加
→母子手帳に書いてある頭囲成長曲線の正常範囲を大きく外れていることで見つかる
- 大泉門(だいせんもん)(前頭部にある頭蓋骨の隙間)の皮膚が張って、外に張り出す
- 頭蓋骨の継ぎ目が開く
- 不機嫌が続く
- うとうと寝てばかりいる
- 黒目が下方にくるりと引っぱられる(落日現象)
【幼児期の水頭症の症状】
- 頭痛や嘔吐が続く
- けいれん発作
- 歩行がおかしい
水頭症は、乳幼児、成人を問わず発症します。
子どもの様子がおかしいと感じた場合は、小児科や小児神経科を受診してください。
赤ちゃんの水頭症の原因は?
【先天的発症原因】
脳脊髄液が過量につくられる、または吸収が悪い
→脳そのものや、脳の血管奇形によることが多い
→胎児の時に神経の発達過程で、障害が生じて起きる
→胎児の超音波検査で発見されることもある
【後天的発症原因】
脳脊髄液の流れが損なわれる
→脳腫瘍や髄膜炎などの感染や、脳出血などによる炎症
赤ちゃんの水頭症の治療方法は?
脳腫瘍が原因の場合は、腫瘍の摘出を含めて、腫瘍そのものに対する治療をしていきます。
その他の原因の場合は、水頭症の程度に応じて、シャント手術というものを行っていきます。
シャント手術とは、脳内と腹部などをつなぐカテーテルを皮下に通し、溜まった髄液を腹部に流して脳の圧迫を除く手術です。
最近では、神経内視鏡を使って脳の深部に小さな穴を開けることにより、シャントを作る手術も行われるようになりました。
これはカテーテルを入れなくても済むため、体に負担もかからず予後も回復が早いです。
赤ちゃんの水頭症の治療後、後遺症は出る?
早期に水頭症に気付くことができないと、重度の障害や後遺症が現れる可能性もあります。
脳の疾患によっては、知能の低下や神経障害も引き起こされることもありますので、赤ちゃんの水頭症には、早期発見、早期治療が重要になってきます。
最後に
妊娠、出産したことのある人なら、一度は聞いたことのある水頭症。1000人に1人の割合で、水頭症を持った赤ちゃんが生まれてくると言われています。
早期発見、早期治療が大切になってきますので、少しでも疑わしい点があれば、すぐに専門の病院を受診するようにしてください。
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