ネウボラとは、フィンランドの「妊娠期からの切れ目ない」ワンストップの子育て支援施設のことです。その「ネウボラ」の「日本版」なるキーワードが新聞やニュースで目にすることも増えてきました。
日本版ネウボラでいう、「妊娠期からの切れ目ない支援」とは、何をさしているのでしょうか。私も2人の子を持つ母として、育児の悩みは成長のステップステップで切れ目なく続きますので、妊娠期からの切れ目ない支援という甘い言葉についつい期待したくなってしまいます。
- ネウボラはフィンランドの子育て支援施設!
- 「妊娠期からの切れ目ない支援」をうたったワンストップの子育て支援施設!
- 日本版ネウボラモデル事業が各地で大発生中!
それでは、ここからは、もっと詳しく上記のことを説明してみますね。
目次
フィンランドの子育てってどんな感じ?
- 子育ては男女平等、男性の育児は当たり前
- 乳児期から、「保育」ではなく「教育」
- 育児のサービスに選択肢が豊富
- 公共交通機関では、ベビーカー優先
妊娠・出産・育児について、男女関係なく、双方の親が平等に担える仕組み作りの取り組みがなされています。本当の意味での男女平等、うらやましいですね。ちなみに、2015年度、フィンランドはお母さんにやさしい国ランキング2位、日本は32位となっています。
日本でいう、保育ママのような制度や、公園おばさんなる一時保育の仕組みがあったりするようです。また、0歳から教育するという考え方のもと、日本の保育園にあたる施設はすべてに自己肯定感を高めるための教育が取り入れられています。
なにより、公共機関でのベビーカー優先は当たり前です。社会が子育てを支えるシステムが出来上がっているため、日本のように、ベビーカーを押しているだけで肩身が狭いといったことはありません。私も、子どもの乳幼児期、公共機関でのベビーカー利用で何度舌打ちされたかわかりません。
日本版ネウボラってどんなことをするの?
- 妊娠の届け出
- 地域における包括的支援体制の構築
- 産前産後ケア
- 相談支援サービス
日本もフィンランドンのネウボラを見習いたい!と、内閣府から平成27年に制定された子ども子育て支援制度の事業の中にも位置付けられ、厚生労働省の妊娠・出産包括支援モデル事業として、2015年には30ほどの自治体がモデル事業に名乗りをあげて取り組んでいます。
2016年度は150の自治体を目標に今まさにネウボラモデルが大発生中といった状況。地域がそれぞれの思い描くネウボラを作っている様相のため、フィンランドのネウボラとはなんだか違うものになっているようにも見受けられますね。
呼び方については、「日本版ネウボラ」ではなく、「地域包括ケアシステム」や「子育て世代包括支援モデル」だとか、「妊娠・出産包括支援モデル事業」だとかの様々な呼称もされていて一般化されていませんし、さらには、各地での事業の名称と内容が一致しないので、なんだか理解しにくくなってしまっている状況にあります。
日本国内でネウボラに取り組んでいるところは?
ネウボラの取り組みでダントツに有名なのは、埼玉県和光市。安倍首相も2016年2月に、その直後、厚生労働大臣も視察されました。そのほか、老舗は千葉県浦安市、東京都世田谷区、最近では、北海道千歳市が力を入れてネウボラ事業に積極的に取り組んでいるようです。
- 埼玉県和光市 ・・・ 介護の仕組みを子育てに転用。地域ケア会議を行い子育て世帯を支援。
- 千葉県浦安市 ・・・ 日本初の育児パッケージ、子育てケアマネージャーがケアプランを作成
- 東京都世田谷区 ・・・ 民間で運営する子育てサロン「古民家ママス(ネウボラ・ネット)」がフィンランドのネウボラのような相談体制を目指して活動中
- 北海道千歳市 ・・・ 18歳までを対象に「子育てするなら、千歳市」を謳った千歳版ネウボラ
最後に
- 母子保健コーディネーターという、専門家がケアプランを作る
- 地域を包括(地域ネットワークの形成)した取り組み
- 産前産後ケアの充実
- 子育てひろばなど、地域の子育て仲間づくりで母子の孤立を防止
- 日本では、埼玉県和光市・千葉県浦安市・東京都世田谷区・北海道千歳市がネウボラに取り組んでいる
結局のところ、国や都道府県、市町村を挙げて子育てをどう支援していくのか、どうネウボラを作るのか、法制化されるのを待つしかない状況でしょうか。どのモデル事業が法制化されるか注目していきたいところです。