離乳食にはじめての食材を取り入れるとき、とまどいや不安が尽きませんよね。
それがアレルギーを引き起こす可能性の高いものなら、なおさらだと思います。
とくに卵は赤ちゃんに多いアレルゲン(アレルギーを起こす原因となるもの)として知られており、
“アレルギーが心配だから卵をあげない”
“与えるのを遅らせている”
というママさんの声も聞かれます。
でも、卵は栄養バランスのとれた優秀な食材。
“不安だから食べさせない”という判断はもったいないですよ。
卵はほぼ完全な栄養食品。
また調理もしやすく、食べやすいのも魅力的な食材です。
食物アレルギーをおそれて自己判断で除去するのではなく、特徴を理解して目安の時期に始めてみましょう!
そこで今回は、離乳食に卵を取り入れる際の
- 進め方や適正量
- 与える時の注意点
- 卵に関する疑問
といったみんなの知りたいポイントをまとめてみました。
詳しい作り方手順の画像も紹介してます!
その当時の体験談も交えて紹介しますね!
目次
卵を離乳食に取り入れられるのはいつから?進め方や量は?
まずは卵黄からスタートしますよ。
卵は赤ちゃんにもっとも多いアレルゲンなので、離乳食に取り入れる際は心配になりますよね。
ただ、卵はビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含む優秀な食材。
なかでも、
- 良質なたんぱく質
- 吸収されやすい鉄
が豊富!
また、調理法しやすく、食べやすいのも魅力的なポイント。
栄養価や使いやすさを考えると離乳食にもってこいの食材なんですよ!
離乳食中期(7~8ヶ月)
おかゆからはじめた離乳食も野菜や果物、豆腐や白身魚と少しずつ種類を増やし、食べることに慣れていきますね。
離乳食中期はさらに食べられる食材が増える頃。
卵はこの時期を目安に与えてみましょう!
そのためアレルゲン性の低い卵黄から食べさせます。
卵アレルギーの原因の多くは卵白のたんぱく質。
卵黄のアレルゲン性は強くないので、離乳食では卵黄からスタートします。
また、加熱によりアレルゲン性が低下しアレルギー症状を引き起こしにくくなるので、20分程加熱した“かたゆで卵”の卵黄を準備しましょう。
かたゆで卵黄の作り方
①卵を熱湯で20分ゆでる
②殻をむいたら、卵白を割って卵黄を取り出す
③卵黄を半分に割って、中央部分からごく少量をすくう
割って卵黄を取り出すことで卵白の混入を防ぐことができます。
卵黄はそのままだとパサパサして食べにくいので、さ湯やミルクでのばして与えましょう。
体調に変化がなければ、卵黄はクリア!
卵黄1個まで食べられるように、少しずつ量を増やしていきます。
卵黄に慣れてきたら、
- お粥
- ゆでた野菜
と合わせるのがオススメです!
卵黄には吸収率のよい鉄が多く含まれるため、赤ちゃんの貧血予防にもなりますよ。
さつま芋と卵黄の甘味がおいしいサラダです♪
- さつまいも 20g
- ブロッコリー 小房1個
- かたゆで卵黄 1/2個
- さつまいもとブロッコリーをやわらかくゆでる
- ブロッコリーは穂先のみを使い、さつまいもと一緒にスプーンなどでつぶす
- かたゆで卵黄をくずしなから加えてまぜ、さ湯で食べやすいかたさまでのばす
同じようにかたゆで卵を作りましょう。
つぶして食べやすくした卵白をごく少量与えます。
食べた後に、じんましんや嘔吐などの症状がみられたら病院を受診してください。
卵白にアレルギーがある可能性が高いです。
その後の血液検査で卵白にアレルギーがあるとわかり、離乳食から卵白を除去することに…。
卵にチャレンジしてアレルギー症状が出ることは、親としてはたしかに怖いことですよね。
でもだからと言って、自己判断で“念のために除去する”のは赤ちゃんの成長や発達を妨げることにもなりかねません。
もし湿疹など気になる症状があれば、卵を与える前に医師に相談してみましょう。
卵白もクリアできれば、全卵1/3個までを目安に徐々に増やしていきます。
- 卵黄と一緒に刻んでミモザ卵に
- 溶き卵にしてスープの具に
などのレシピがオススメですよ!
離乳食後期(9~11ヶ月)
食べられる卵の量が増え、メニューのバリエーションも広がる時期です。
油も少量なら使えるようになるので、うまく利用してみましょう!
全卵1/2個を目安に増やしていきます。
- 卵焼き(野菜を混ぜてもGOOD)
- 炒り卵
- オムレツ
- 卵とじ
こんなレシピはいかがですか♪
トマトの酸味と彩りで食欲モリモリ♪
- プチトマト 20g(2個)
- 溶き卵 1/2個分
- 植物油 少々
- プチトマトは皮をむき、粗みじんに切る
- フライパンに植物油を熱し、プチトマトをサッと炒める
- 溶き卵を流し入れ、かきまぜながら火を通す
半熟状がおいしいものもありますが、中までしっかり火を通さないとアレルギーや食中毒が起こる可能性もあります。
1歳までは確実に加熱すると安心です。
離乳食完了期(1歳~1歳6ヶ月)
全卵2/3個までを目安に食べることができます。
- フレンチトースト
- 親子丼
といったメニューも♪
さまざまな卵料理を楽しんでみましょう!
- 食パン(8枚切り) 1枚
- 砂糖 小さじ1/2
- 牛乳 大さじ2
- 溶き卵 2/3個分
- バター 少々
- ボールに砂糖と牛乳、溶き卵を入れよく混ぜる
- 食べやすい大きさに切った食パンをひたす
- フライパンを熱し、バターを溶かしたら、食パンをじっくり焼く
(焦げやすいので火加減に注意!)
こちらで紹介した時期や量はあくまでも目安です。
焦らず、お子さんの成長にあわせて進めていってくださいね。
卵を与える時の注意点は?
卵を食べさせる時に注意したいポイントは以下の通りです。
- はじめての卵は時間・体調・量に気をつける
- 卵アレルギーの症状
- よく加熱する
- 割卵はすぐ消費する
- 市販の加工食品に多く含まれている
はじめての卵は平日の昼間、体調のよい時に、ごく少量から
どの食材にも共通して言えることですが、はじめて与える際はかかりつけの病院が開いている時間にチャレンジしましょう。
また、体調が悪いと嘔吐などの症状がアレルギーによるものかどうか判断しにくいことがあります。
少量からはじめるのは、万が一アレルギーが出ても軽い症状で気付くことができるため。
アレルゲン性の低い卵黄からスタートしましょう。
卵アレルギー
典型的な食物アレルギーの症状は「即時型」と言われ、アレルゲンを食べてから15分から2時間ほどの間に発症します。
- 顔や体が赤くなる
- 嘔吐する
といった症状がみられたらすぐに受診しましょう!
卵アレルギーと診断された場合、医師の指示にしたがって離乳食から卵を除去します。
我が子も少しずつ除去が解除され、4歳になる頃には卵白も食べられるようになりました!
よく加熱する
生卵のたんぱく質はアレルギーを引き起こす力がとても強いので、内臓の未熟な赤ちゃんには厳禁。
また、サルモネラ菌の汚染による食中毒の心配もあるので、完全に中まで火が通った卵をあげましょう。
サルモネラ菌は熱抵抗性が弱く、十分な加熱で死滅します。
割卵後はすぐ消費する
離乳食には新鮮な卵を利用し、割った後はすぐに利用しましょう。
卵内には殺菌酵素が含まれており、サルモネラ菌に汚染されている場合でも10℃以下ではほとんど増殖しません1)。
しかし、鮮度が下がれば殺菌力も低下してしまいます。
また、割卵して卵白と卵黄が混ざると菌が増殖しやすい状態になるので手早く調理することが重要です。
市販の加工食品に注意
卵はさまざまな用途に使われる便利な食材。
そのため市販のベビーフードや赤ちゃん用おやつにも卵を含む製品がたくさんあります。
全卵が食べられるようになるまでは、原材料の表示をチェックしましょう!
こんな疑問にお答えします!
離乳食に卵を取り入れる際のいろいろな疑問をまとめてみました。
Q.卵ボーロからはじめるのはOK?
A.卵ボーロの多くは全卵を原料としています。
卵黄のみのボーロも市販されていますが、卵白の混入がまったくゼロとは言い切れません。
そのため、はじめての卵は“かたゆで卵”がオススメです。
Q.市販の卵豆腐や卵焼きは食べさせてもいいの?
A.卵豆腐は口当たりがなめらかで与えやすいですが、塩分や添加物が多く含まれている商品もあります。
卵焼きも赤ちゃんにとっては味付けが濃すぎる場合も…。
はちみつが含まれているものもあるので、食べさせるのであれば、1歳を過ぎてから少量を心掛けましょう。
Q.卵アレルギーでも鶏肉は食べられる?
A.卵と鶏肉ではたんぱく質の種類が異なるため、多くの場合は食べることができます。
卵アレルギーと判断された場合、鶏卵と鶏卵を含む食品、うずらやあひるの卵が除去の対象となります。
Q.アレルギーで卵を除去、ハンバーグやパンケーキはどうしたらいい?
A.ハンバーグは豆腐や片栗粉を加えることで、卵なしでもふっくらと焼くことができます。
牛乳に浸したパン粉、じゃがいもやれんこんのすりおろしでもGOOD。
卵がなくてもキレイに焼けますよ♪
パンケーキもつぶした豆腐や野菜のすりおろしなどで対応できます。
卵の代わりにホットケーキミックスと混ぜるだけでOK!
Q.余った卵は冷凍できる?
A.冷凍できますよ!
薄焼卵やかたゆで卵の卵黄が冷凍に向いています。
中に空気が入らないようにラップで包んだら、フリーザーバックなどに入れて冷凍庫で保管しましょう。
ただし、1~2週間を目安に使い切るようにしてくださいね。
参考: 1)東邦微生物病研究所 卵とサルモネラについて
・食物アレルギーをこわがらないはじめての離乳食(主婦の友社 2015年12月発行)
・食物アレルギーのつきあい方と安心レシピ(ナツメ社 2016年5月発行)
最後に
卵は赤ちゃんにもっとも多いアレルゲンですが、栄養価が高く、使い勝手のよい食材です。
特徴をしっかりおさえて、離乳食に取り入れてみましょう!
- 離乳食中期 (7~8ヶ月)頃に“かたゆで卵”の卵黄1さじからスタート
- アレルゲン性の強い卵白は卵黄1個を食べられた後に1さじからチャレンジ
- 後期(9~11ヶ月)頃は全卵1/2個、完了期(1歳~1歳6ヶ月)は全卵2/3個が目安
- アレルギーや食中毒の恐れがあるのでよく加熱する
- 割卵後はすぐに消費する
- 全卵が食べられるようになるまでは市販の加工食品に注意
我が家の場合、長男は卵白でアレルギー症状が出ましたが、次男は大丈夫でした。
卵が使える離乳食と除去した離乳食の両方を経験しましたが、やはり卵があるとレパートリーが広がってとても便利だと感じましたよ。
うまく利用してみてくださいね。