日頃、何気なく利用している銀行。
でも、どんな役割があるのか、どんなことをしているのか、実はよく知らないもの。
今回は、身近でありながら説明しにくい銀行について
- 銀行の役割
- もし銀行がなかったら・・・
- 銀行の歴史
- 子供でも銀行を利用できるのか
- 銀行員さんのお仕事
といった点を子供にもわかりやすく説明したいと思います!
目次
銀行とは?役割3つを解説!
銀行には、
- お金の貸し借りの仲立ちをすること(金融仲介機能)
- 預金を元手に貸付をして見かけ上の銀行預金を増やして、また貸付を行うこと(信用創造機能)
- 預金者の口座にあるお金を確認して、支払いや受け取りなどを行うこと(決済機能)
という3つの役割があります。
金融仲介機能
世の中には、
という人もいれば、
という人もいます。
銀行は、お金を預けたいAさんからお金を預かり(預金)、そのお金を元にして、Bさんにお金を貸します(貸出)。
そうすると、Aさんは大金を家で管理しなくて済んで安心ですし、Bさんは必要なお金を貸してもらって新しい事業を起こすことができますね。
このように、お金を預けたい人から預かり、お金が必要な人に貸し出すことを「金融仲介機能」といいます。
信用創造機能
銀行には、預金と貸出を繰り返すことによって銀行の預金を増やし、社会全体の通貨の流通量を増やす機能があります。
Cさんが1,000万円預けに来ました。
次に、Dさんが900万円借りに来ました。
さらに、Eさんが810万円借りに来ました。
このように、預金と融資の繰り返しによって、社会における通貨の流通量を増加させることを「信用創造機能」といいます。
世の中でより多くのお金が動くようにする働きともいえますね。
決済機能
たとえば、近くのお店でパンを買うような場面なら、現金をその場で渡せばよいですが、
- その場で支払えないような高額なものを買う
- 遠くに住む人や会社にお金を送る
などの場合は、現金を手渡しすることはできません。
そんな時、銀行を通じて支払いを行うことができるのです。
銀行は、代金引き落としや振り込み、送金等でお金を送ったり、受け取ったりするという業務(為替)を行います。
このように、預金者の口座にあるお金を確認して支払いや受け取りなどを行う働きを「決済機能」といいます。
また、説明の中に出てきた
- 預金:お金を預かること
- 貸出:お金を貸すこと
- 為替:遠くの人にお金を送ったり受け取ったりすること
は銀行の主要なお仕事で、「銀行の3大業務」と呼ばれます。
銀行は、
- 預金業務:お金を預かること
- 貸出業務:お金を貸すこと
- 為替業務:お金を送ったり受け取ったりすること
という3つの業務を通じて、
- お金の貸し借りの仲立ちをすること(金融仲介機能)
- 預金を元手に貸付をして見かけ上の銀行預金を増やしてまた貸付を行うこと(信用創造機能)
- 預金者の口座にあるお金を確認して支払いや受け取りなどを行うこと(決済機能)
という3つの役割を果たしているのです。
なぜ銀行はあるの?
ないと困るのかしら?
銀行は、みんなが持っているお金を預かり、お金を必要とする会社や個人に貸し出すことで、人々の暮らしをより豊かにするために存在します。
また、会社や個人のお金のやりとりがスムーズに行われるようにして、経済活動を活発にするという目的もあります。
銀行がなかったら
銀行がないと、預けられないので、全部自分の家に置くことになりますよね。
盗まれたり、火事にあったりしたら大変です。
家や新車を買う時は、ローンを利用して、少しずつ支払いをしますよね。
でも、銀行がないとローンを組むことができないので、必要なお金が全額貯まるまで何十年も待つ必要が出てきます。
欲しい時に欲しいものが手に入らないと、困ることが多々ありますよね。
しかも、その大金を家で保管するのですから、危険ですね。
もし銀行がなかったら、支払いや受け取りを全部自分でしなければなりません。
遠くに離れている人にお金を渡したい、通販で買ったものの代金を払いたいなど、遠くの人や会社にお金を渡す必要って結構ありますよね。
その度に、電車や車で出かけていって現金を持っていくなんて、考えられません!
銀行の歴史
江戸時代には、江戸(東京)では金貨、上方(京都・大阪)では銀貨と、違うお金が使われていました。
そこで、江戸と上方で商売をするときは、金貨と銀貨を両替しなければなりませんでした。
両替をしていた「両替商」は他にも、預金・貸出・為替(お金を送ったり受け取ったりすること)といった今の銀行と同じ働きをしていたんです。
明治時代になるとお金が統一され、両替の必要はなくなり、預金・貸出・為替業務を行う現在の銀行が誕生しました。
日本で最初の銀行は1873(明治6)年に設立された「第一国立銀行」(今のみずほ銀行)です。
そして、その3年後の1876(明治9)年には日本最初の民間銀行「三井銀行」が誕生しました。
さらに、1882(明治15)年には、日本銀行が創立、中央銀行として全国の銀行を統括するようになったんです。
日本銀行には「貨幣博物館」があって、日本のお金の歴史や外国のお金などを見ることができますよ!
子供でも銀行を利用できるの?
現金の振込であれば、ATMでも窓口でも年齢制限はありません。
ただし、10万円を超える場合は、窓口のみの取り扱いとなり、免許証などの身分証明書が必要になります。
10万円を超えても超えなくても、そもそもまとまったお金を子供が持ち歩くのはキケンです。
もしも必要になったら、大人の人についていってもらいましょう。
物心ついたらすでに親が子供名義で口座を作っておいてくれていた、とうことも多いでしょう。
また、一律でルールがあるわけではないのではっきりとは言えませんが、満15歳以上なら親の同意なく口座開設できるところが多いようです。
銀行員の仕事内容!
窓口を中心に働く銀行員さんの一日です。
朝8:00ごろ~9:00 | 出社
メールチェック・マーケット情報チェック 朝のミーティング |
9:00~15:00 | 開店
などの窓口対応・窓口の後方での事務 |
15:00~17:00ごろ | 閉店
現金の確認 伝票整理 定期預金満期の期日案内などの電話 汚くなったお金を日本銀行で交換してもらうための準備、など |
ほかに、
- 個人の顧客先に出向いてローンなどについて相談を受けたり提案したりする
- 企業の資金調達の相談を受けたり、事業のサポートをする
など、支店の外での仕事もあります。
どうしたらなれる?
どうしたら銀行員になれるの?
銀行員になるために特別な資格は要りませんが、入ってから、ファイナンシャルプランナーと簿記の資格を取ることになるでしょう。
融資などの相談に対応するためにはこれらの勉強は必要ですし、資格を持っているほうがお客様にも信用してもらえるからです。
また、検定試験が昇進にかかわることもあります。
最近は、英語も重要なので、TOEICなどの英語のスコアも伸ばしておく必要があります。
また、支店だけでなく顧客先に出向く必要がある場合に備え、自動車の免許も取っておくとよいようです。
最後に
今回のまとめです。
- 銀行には、お金の貸し借りの仲立ちをする(金融仲介機能)、預金を増やしてお金が流通しやすいようにする(信用創造機能)、支払いや受け取りをスムーズにする(決済機能)という役割がある。
- 江戸時代には両替商が銀行のような働きをしていたが、明治になってお金が統一され、今の銀行の体系ができた。
- 銀行員さんの日中の仕事は窓口でのお客様対応、閉店後はお金の確認など、また、支店の外での仕事もある。
銀行が何をしているところなのか、お子さんにも少し説明しやすくなったでしょうか?
銀行は一生付き合っていくものなので、子供たちにもぜひ親しんでもらいたいですね。