妊娠中に足が張って、痛みがある。
そんな症状がみられたら「静脈溜」ができていないか、セルフチェックをしてみてください。
静脈溜は妊娠中のトラブルの一つですが、年々症状に悩む妊婦さんが増えているようです。
目次
妊娠中は静脈瘤になりやすい?症状は?原因は?
実は私も二人目の妊娠中に下肢の静脈瘤を経験しました。
そのときの症状は
・足がだるく、張る感じがある
・ピリピリした痛みを感じる
といったもので気づいたとき(妊娠5カ月頃)には両足のふくらはぎに青紫色の細い血管が糸状に拡張していました。
ひどい部分では血管が太くなり、ぼこぼこと皮膚が盛り上がっていました。
なぜ妊娠するとなりやすいのでしょう??
妊娠すると黄体(おうたい)ホルモンの分泌量が増加します。このホルモンは妊娠を維持するために必要なホルモンで、体温を上昇させ、乳腺の発達を促し、胎盤を形成するなどの働きがあります。また子宮の筋肉をゆるめて、次第に大きくなるお腹に体が柔軟に対応できるようにしてくれています。
しかし、同時に静脈の血管壁や、腸の筋肉の収縮も一緒に抑制してしまう(=便秘の原因)そうです。それにより、血管内の弾力が低下し、静脈弁の働きも鈍くなります。静脈は重力に逆らい足から心臓へ血液が上っていきますが、静脈弁の働きが鈍くなることで、血液が上へ戻りにくくなり蓄積され、コブのように膨らみます。
その状態を「静脈溜」と呼びます。
太もも・ひざの裏・ふくらはぎ・すね・肛門・膣などができやすい場所です。
(ちなみにイボ痔は肛門にできた静脈瘤)
高齢出産や出産回数の多い方や立ち仕事をしている方がなりやすいと言われています。
妊娠中の静脈瘤、治療はできるの?
下肢静脈瘤の一般的な治療法は弾性ストッキングによる圧迫療法です。
足を圧迫することで静脈の流れを促進し、下肢全体の血液循環が改善され、だるさや足がつるなどの症状は緩和されます。
ただし下肢静脈瘤の進行防止、現状維持が目的となり、この方法で下肢静脈瘤そのものが治るわけではありません。
また、静脈血管に薬剤を注入して静脈瘤を消失させる方法や手術療法、またレーザー治療などがありますが、妊娠中に発症した静脈瘤で、分娩終了を待たずに治療しなければならないほどの状況になることは非常にまれのようです。
私の場合は医師からは弾性ストッキングを履くことを勧められました。おかげで痛みやだるさが緩和されてなんとか出産までたどりつくことができました。
妊娠中の静脈瘤、予防することはできるの?
できます。
静脈瘤は一度出来てしまうと、なかなか消える事がないので、日頃から足が浮腫やすい人や夕方になるとだるさを感じる人は予防的にサポートストッキングの着用をおすすめします。
また
(きつい腹帯やガードルなども注意が必要)
・体を冷やさない
・立ち仕事の時間を短くする
・足のマッサージやストレッチで血流をよくする
・足をクッションなどで心臓より高くして寝る
など様々な方法があります。
ここで注意!
できてしまった静脈瘤は、触らずにそっとしておくのが基本です。
マッサージなどで、その上を強くこするのは避けましょう。内出血の原因になるそうです。
静脈瘤、出産すれば自然に治ることもある?
静脈瘤ができる一番の原因は「妊娠していること」なので、妊娠の終了、つまり出産すれば症状は軽快します。しかし、先にもありますが一度できてしまうと治りにくいものです。
私の場合も痛みやだるさはなくなりましたが、糸状に拡張した血管は薄くなったものの一部が残っています。見た目にも気になるほどです。もっと早くからケアをしておくべきだったと思っています。
最後に
妊娠に伴う静脈瘤は回数を重ねるごとに悪化することが多いそうです。
出産後に治りが悪いようならば、次の妊娠までに手術などの治療をするのもひとつの手段です。
また「静脈瘤という病気があり、予防が可能である」ということを知っておくことが大切だと思います。
無理なく自分にあった予防策をみつけて静脈瘤にならない、悪化しないようにしたいですね。
あんつぶ